2013年02月07日

空き家が増えてる

NHKの朝のニュースで北九州市の空き家問題を取り上げていました。

正確な数字は覚えていないので統計資料を調べてみると
2008年の調査で空き家率は15.7%(内賃貸住宅9.6%、一般住宅6.1%。)
賃貸アパートの空き室は別にして、およそ3万戸の住宅が空き家になっている。
現在もそれは急速に増え続けているらしいのです。

北九州市はこの10年で人口が100万人を割り3.4%減少。
10年前に人口が100万人を超えていた政令指定都市の中で人口が減少しているのはここだけです。

鉄の街と言われた北九州市ですが、急速な産業構造の変化で雇用力が減少
高齢化も大都市では先駆けて進んでいる。

子供らが雇用を求めて関東・関西に定住するのは今も昔も変わりません。
むしろ地方の雇用の場が喪失する現状は加速しており、
少子化と相まって高齢単身世帯は増加するばかりです。
行きつくところは住み手のいなくなった住居の残骸。
廃墟だけが増えています。
これが問題らしい。
管理するものがいなくなった廃屋は火災や犯罪を誘発し景観上も問題あり。
ということのようです。

空き家が増えてる

住まなくなった所有者は家を取り壊して土地を売却できればまだいいのですが、
解体には費用がかかります。

木造でしたら3万円/坪前後、RCだと7万円/坪前後でしょうか。
それでも解体後更地にした土地が高く売れればいいのでしょうが。

更地はなかなか動かない(買い手が現れない)。
と不動産屋の友人が言います。

昔(と言ってもつい四半世紀前のことですが)は資産といえば第1にくるのが不動産でした。
相続の調査をすると判るのですが、相続財産のおよそ8割強が不動産です。
日本人の一般的な資産家の資産内容と言っていいと思います。

しかしいまや不動産は資産でもありません。
と言うと語弊があるのですが
むしろ不動産は負債だと言える状況が進行しています。
資産というのは現金化できて初めて資産と呼べるものだからです。

僕が関与している福岡県のある地方都市の会社の話です。

経営が厳しいので返済のため使っていない会社の土地を処分することにしました。
街外れにある300坪の土地です。
ここにはアパートが建っています。
2DKが12戸の3階建。
総坪数210坪ですが築後45年以上。
配管の劣化などで今は誰も住んでいません。
リフォームしようにも莫大な費用がかかるので売るしかない。

さて売ろうとするとアパートは解体して更地渡しが条件となった。
買い手は住宅分譲屋さんです。
周囲の住宅地の相場は10万円程度ですが、分譲するには道路を入れるなどの造成費用がかかるのと販売経費が必用だと言う。
「購入価格は4.5万円/坪で1350万円です。」

さて、アパートの解体工事の見積もりをとると1400万円でした。
これでは足がでてしまい売ろうにも売れません。

この不動産ですが実は現在、年間50万円の固定資産税を課税されています。
何も生まないのに。

不動産は負債だという訳がわかりましたか?



Posted by 風街ろまん at 17:41│Comments(0)
 
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