2011年07月11日

リスクマネジメント

やっとこさ梅雨も明けたようです。
今年は例年より10日程早い梅雨明けとのことですが、
梅雨の入りが早かった所為か、はたまた尋常じゃない
雨量の印象からか
随分と長く、鬱陶しい時間だったように思えてなりません。

今日で東日本の大震災から4カ月。
まだ4カ月。
もう4カ月。
僕には 『まだ』の思いの方が圧倒的に強いかな。
ことの次第が大きすぎて、気持ちの上でまだ何も消化できていない。
そこら辺り。

この間、日本という国の在りようが思いがけずに沢山見えてきました。

例えば、今回の福島原発事故で真っ先に原子炉建屋に入ったのは
「パックボット」という米国アイロボット社製のロボット。
僕らのイメージでは、阪神大震災や東海村JCO臨界事故を経て
日本はこういった災害用ロボット開発では“先端を行っていた”
筈でしたが。

実際、国は2000年に「原子力防災支援システム」の開発費を援助し、
東芝や日立、三菱重工などで開発が進められたようです。
しかし、開発に対する実用化評価で東電はじめ電力業界が出した結論は
「改善の余地あり・・・・。」
とそれらを退けました。
それから、試行錯誤を経て技術は改良されてきたかというと・・・・
NO!
でした。

ドイツ、フランスなどの電力各社は万が一の事故を想定し、
次善策としてのロボット技術開発やロボットの遠隔操作、除染などの訓練を
日々続けているという。
「リスクマネジメントとして当然のことだ。」

国は東海村臨界事故の直後で開発助成金を出すなどしましたが
その後のフォローなし。
結局、当時の世論に答える形での、
確かにやりましたよ、という免罪符でしかなかった訳ですね。

電力業界は「あれはJCOの人災」と片づけ何も応えませんでした。

『ありえない』ことにはコストは払わない。
が日本の殆どの企業の体質です。
なにも電力業界に限ったことではないのです。

未来を思い描けない。
明日のこととなると思考停止する。

台風がくれば1年かけて育てた作物が台無しになる。
それはどう抗おうとしても自然の摂理で抗いようがない。
だから
『天災は来たら来た時』
と。





Posted by 風街ろまん at 21:12│Comments(2)
この記事へのコメント
風街ろまん様
手に負えない装置、原発。殆どの機械類は万が一の故障に備えて色々な非常措置(サポート)がなされています。原発もそうであろうと思っていましたが見事に裏切られました。いい訳は何とでも云えます。
Posted by 金魚の郷の油屋さん at 2011年07月11日 21:36
金魚の郷の油屋さん様
『臭いものには蓋』
が日本のお家芸です。
『下々はどうせ分らんのだから言わずともよい。』
ということでしょうか。
変わりませんね。
Posted by 風街ろまん風街ろまん at 2011年07月12日 17:51
 
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