2010年11月18日

流通の行き着くところ

新規事業の提案説明で県南の町のお客さまを訪問。
雑談で
「今度、ここにもゆめマートの出店が決まりました。地元のスーパーのSもAも、今でも客が減っているのに、出店したら本当に厳しかですよ。」

地方は今でもオーバーストアで競争が激しくなっているのに、県外の大手資本の進出は地元企業に引導を渡すようなものです。
そこへもってきて、店舗展開のスピードを上げてきたドラッグストアのK。
業態はドラッグストアですが本業の薬の棚スペースは2割に満たない程度で、日用雑貨は兎も角も、冷凍食品も含めた食品全般、牛乳や納豆などの日配品の棚までも充実させてきています。
PBの食品まで数を増やしている状況をみると、もはや立派なスーパーマーケットです。

確かに地元のスーパーは規模に劣り、その商品仕入れ量からして仕入れ価格は高くならざるを得ません。
一店舗の販売額も少ないため、従業員一人当たりの販売額も少ない。
大手に比べれば経営効率は格段に悪いはずです。
効率が悪いから収益力も低く、巡り巡って価格競争力がない。
だから客は離れていきます。

しかし、よく考えてみれば、その大手資本がやってくるまではそのスーパーは地元では勝ち組だった訳です。
そのスーパーの所為で店を閉じた八百屋や魚屋や乾物屋や万屋や金物屋は数限りなくあったはずなのです。
特に高度成長期以降、地方商店街の様子は目まぐるしく変わってきました。

県外の大手スーパーに地方の皆がやられてしまった頃、今度はスーパー戦争を勝ち抜いた超大手スーパーイオンとイトーヨーカ堂がおかしくなってきた。
安売り競争に疲れ果て死屍累々。

それから流通の核はコンビニが握る時代に突入。
コンビニ各社間の陣取り合戦が激化します。
当然、一店舗当たりの日販額は低下。
廃業するコンビニが激増し、こちらも死屍累々。
転用されず締めたままのコンビニの跡は何処にも見られます。

百貨店は当に左前。
ロードサイドはスーパーにコンビニにディスカウントストアにドラッグストア入り乱れ。
家電も紳士服も飲食も、業態の大手3社くらいが、何処の地方も同じ看板を揚げ軒を並べています。

誰かに目隠しされて何処かのロードサイドに連れてこられ、12の3で目隠しを外されて、さあここは何処?
画一的な景色は、そこが一体どこなのかが判らない世の中になって参りました。

リストラや廃業で雇用は更に狭められ、で、結局誰が幸福になったのか。
そう考えると、企業経営者が目標とする 『成長』 とは実にはかないもののように思えてきます。

閉ざされたお店が延々と並ぶ道を走り、ぼんやりとそう考えました。


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Posted by 風街ろまん at 20:51│Comments(2)
この記事へのコメント
ほんと、どこに行っても、同じ大手のお店ばっかり。
我が家も、大手ホームセンターには、値段では、全く太刀打ちできせん。うちの仕入れ価格より安かったりするんですもの。
これから、小売業者が生き残るには、どうしたらいいんんでしょうかね~。
Posted by 梅子梅子 at 2010年11月20日 17:33
梅子様
遅くなりました。
小売に限らず、生き残る道はひとつしかありません。
すみません、敢えて言い切ってしまいました。
お客様の変化に合わせて自らを変化させていくことしかないと思っています。
その前に、自分が何者かということと、自分ところのお客様は誰なのかを問うことから始めるしかないでしょうね。
Posted by 風街ろまん風街ろまん at 2010年11月24日 19:45
 
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