2010年05月10日

こんな大学って

秋田県に国際教養大学という県立(公立大学法人)の大学があります。
2004年開学、2008年に初の卒業生を出したばかりのまだまだ新しい大学です。
現在、1学年175名の普通の高校より小さい大学です。
この大学が並居る上場企業の人事部に熱い視線を浴びています。

こんな大学ってできたばかりの頃から、知る人ぞ知るの噂の大学でしたが、2回目の卒業生を出した昨年、超就職氷河期と言われたなかで就職率100%、一躍マスコミに取り上げられました。

就職率100%もさることながら大手上場企業の人事課長がわざわざ秋田まで足を運んで、会社説明会をし学生と直接面接する。
何故、この超買い手市場の最中、こんな地方の新設大学に、と誰もが思うはずです。

先日TV『カンブリア宮殿』が取り上げ、村上龍が取材するところが放映されました。
聞きしに勝る内容でした。

何故この大学を知っていたかと言えば、
“この大学では全ての授業が英語で行われる。”
という事実でした。
聞いた端は、英語力が鍛えられるんだろうなと思っていましたが、実はそうではなかった。
『英語を』学ぶことが目的ではなく、『英語で』考える力を身につけるのが目的。

授業のみならず学生同士のコミュニケーションも英語。
教授陣の半数以上が外国人。
1講座平均学生数15名程度。
海外留学生と同宿舎。
1年間の海外の提携大学への留学が必須。
物怖じしてたらついていけない。
タフでないとやっていけない。
大学図書館は24時間、365日、いつでも開いている。

いやいや、勉強しなければ授業そのものについていけないシステムとボリュームです。
事実、半分程度しか卒業できてないそうです。
一度入学すれば余程のことがない限り卒業できる日本の殆どの大学とは大違い。

今年の卒業生に就職のインタビューがあっていましたが、
『全く就職に苦労することはありませんでした、自分の希望通りです。』

この大学の取材の前振りが日本で一番の某マンモス大学の卒業式でした。
同じような卒業生への就職についてのインタビューです。
『就職はどうでしたか?』
『100社エントリーしたのに面接にも辿りつかない。もっと僕の内面を知って貰える機会があれば分かって貰えると思うのに・・・。』
ほお、内面ね、企業が求める内面てなあに。

この某大学には申し訳ないけど既にここで勝負あり。

考えてみれば僕らの大学時代は楽勝でしたね。
企業は新卒の僕らを戦力だなんて思っていませんでしたから。
役に立たない僕らを何カ月もひとところに集めてはせっせと研修してくれました。

この大学の中嶋学長はこう語っています。
『このことが今の日本の企業の限界を造っている。』
と。

この頃教育や昨今の若者についての番組が目立ちます。
今年から大学に息子をやった身として考えてしまいます。

こんな大学って



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Posted by 風街ろまん at 23:20│Comments(0)
 
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