2010年04月09日

電気自動車への潮流

7日にルノー日産グループとダイムラーの資本持合いを含む業務提携が発表されましたね。
これまでの自動車メーカーの離合集散は経営危機に陥ったメーカーの救済色が強い統合でしたが、今回のグループ化の意図はずばり電気自動車のようです。
3各社はルノー製の小型車『トゥインゴ』の車体を共有化して13年までに小型電気自動車の市販車を投入するようです。

電気自動車への潮流ルノー日産は周知のとおり、12年までに『リーフ』の全世界販売に入りその後多モデル化すると発表しています。
今回、ダイムラーを引き込んだ電気自動車の量産化への急展開は、当面ハイブリットで世界シェア獲得をめざすトヨタ、ホンダの今後の戦略へ大きなインパクトを与えそうです。
なんといっても電気自動車の量産化のキーは電池の量産化です。
もはやエンジン技術ではありません。

電池の量産化は大きな課題ですが、りチュウムイオン二次電池の内製化を進めているこれらの自動車メーカーの動向は大いに気になるところです。
というのもガソリン車から電気自動車への世代交代は自動車メーカーや電池メーカーのみならず他の産業への影響が計り知れない程の大きさを持つからです。
例えば充電にかかるインフラ設備と関連産業。

最も影響が大きいのが全国のGスタンドですかね。
それでなくとも販売差益の縮小とセルフスタンドの急増で大荒れの業界です。
油を売ることがメインの商売のこの業界は果たして電気を売る業態への転換で生き残れるのか。

Gスタンドは油を供給するオイルメーカーの系列として事業を継続させており、いまのところメーカーと小売は運命共同体です。
『俺、ガソリンスタンドを始める!』
と言ったってメーカーとの商品供給契約ができなければ店はオープンできませんでした。
まして引火性の強い商品ですのでそれなりの法的制約もかけられています。
参入障壁は結構高いのに儲からない商売となりました。
これが
『俺、電気スタンド(でいいのかな?)始める!』
と言えば別に九州電力から電気を買うための特別な契約が必要な訳ではありません。
どうぞお始め下さい。

最も急速充電でも30分かかるようですから、
『はい、電気満タンね。』
と乗ったままお兄ちゃんに頼むという訳にはいかない。

多分にガソリン時代と違って世の中が変わるはずです。

殆どは家庭で充電でしょうが、さて住宅に急速充電設備まで供え置くのか。
マンションあたりになると充電のことを設計の段階で考えなければいけません。
ましてや野ざらしの駐車場では家庭で充電という訳にはいかない、困った。
困ったときがビジネスチャンスです。
するとこれから建築するマンションなどはそこらを考えないといけませんし考えて実行したら強い。
当然そういった設備が『売り』になります。
既にある賃貸マンションなども同様で設備のないマンションは今後入居者がいなくなる恐れ大。

郊外のカフェかレストランも
『昼ごはんを食べてる間に格安で充電します!』
なんてサービスが出てくる。

Gスタンドも総てが電気自動車に変わってしまう訳ではないので必要性はしばらく残りますが、全体の販売パイは確実に減ります。
じんわりと、着実に。

需給ギャップが大きくなるとまたまた供給過剰で赤字スタンドが続出。
『やっていけないから締めます。』
が相次げばロードサイドのスタンドの数は一挙に減ります。

すると今度はガソリン車ユーザーが大いに困ることになります。
生き残ったスタンドはライバルがいなくなるから販売価格を一挙に上げる。
給油に不便で料金まで高くなればハイブリット車ユーザーからもEカーへの乗換えが起きる。
これが流れというやつです。

これからは何故風が吹けば桶屋が儲かるのか考えなくてはいけません。

Gスタンドで車を洗っていたマンション住まいのユーザーはGスタンドがなくなると困りますね。
Eカーユーザーだってガソリンはいらないけど洗車は必要。
ワイパーのゴムやワイパー液や切れたランプの豆球は何処で補充しようか。
オートバックスやイエローハットが遠い地域の人はどうしましょう。
ひょっとしたらコンビニが新しいサービスとして自動車の点検整備や洗車を始めるかも知れませんね。

事ほど左様に世の中が変わる可能性が大きい。
関係する人達はそろそろファイティングポーズを取らないと間に合わなくなるかも知れません。
そうそう、ピンチはチャンスです。
これまで遅れて業界に参入して苦渋を舐めてきた人達は、今度は先頭でスタートを切れるかも知れませんよ。
変わり目は最大のチャンスです。

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Posted by 風街ろまん at 19:03│Comments(0)
 
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