こんさるたんと奮闘記

21日のお彼岸に家族で母の墓参りに行ってきました。
4月から東京へ旅立つ息子の報告もかねて。
春らしい日和でしたが、阿蘇を吹きぬける風は流石に冷たい。

お墓に手を合わせたあと、阿蘇神社へ参拝。

神社横の駐車場へ車を入れると参道の商店街には旅行者がそぞろ歩きしていました。
あちこちの店先に旅行者がたむろするさまは一昔前を知っている僕には考えられない光景です。

僕は中学校までそこで生まれ育ちました。

そこで暮らしていた頃、参道の商店街は参道とも呼べないどこの田舎町にもある普通の商店街でしたが、当時はまだ映画館があり時計屋、履物屋、本屋、文具屋、金物屋、衣料品屋が立ち並び、帽子屋や背広の仕立て屋なんて店まであったんです。
それらの店が各々で商売になっていた。
そういう時代があったんですね、この町にも。

それからこの町を離れて年に何度か実家へ帰る道すがら、見るたび通りは色あせ風化し、日曜日などは人の気配さえ感じられない通りになっていました。
つい何年か前まではそうだったんです。
ところが休みの日に人が歩いている。
それもかなりの数で。

数年前『門前町水規巡り』と銘打って参道の商店主たちが町興しをしたとか。
それから神社には参拝者が増え、他所から人が集まるようになったらしいのです。

昔の商店街や店主達を知っている僕には、黒塗りの木材を基調にお化粧された今の町並みがどこか映画のセットのように嘘っぽく見えてしまいましたが、それでもいいことなんでしょうね。
山と火口見物だけで売っていた観光地です。
黒川へ由布院へ、車でみんなが素通りしていく町だったのですから。

神社の境内の桜は3分咲きでした。
満開にはあと10日ほどかかるでしょうか。
やがて旅立つ息子とゆっくりした時間を過ごしました。


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