2010年01月18日

ハイチを助けよう

ハイチの地震、酷いようです。
(M)7.0、15年前の阪神淡路震災の7.3に比べるとやや小さいようですが、死者は既に7万人を超え10万人を上回る規模とハイチ政府は発表しています。

ハイチを助けよう災害の規模もさることながら、気になるのが相次ぐ略奪行為等の治安の悪化です。
首都の警官2,000人に被害が出ており、倒壊した刑務所から3,000人の受刑者が逃亡中とか。
ハイチ政府自体が自浄能力をなくしており米軍3,500人が治安維持活動に入る模様。

住民の中には過去の米国の帝国主義的な政策への反発が強いようですので、これが別の形の不幸に発展しないように祈るばかりです。

折りしも昨日は阪神淡路震災から15年。
昨日の都道府県対抗女子駅伝の解説の中での兵庫県チームのコメントです。
『兵庫は先の震災で団結して協力すること、助け合うことの大切さを学びました。』
兵庫はもともと中学生、高校生が強い陸上県でしたが14回大会までは3位が2回あっただけです。
それまでは中学、高校、社会人個々の間の連携が取れていなかったと言います。
震災以降、助け合うことで生まれた地域意識は急速に高まりました。
震災以降の14回中、優勝3回、2位3回、3位2回、今回は惜しくも4位に終わりましたが10年連続入賞はとにかく凄い。

ハイチを助けよう一方、ハイチからのニュースで見る倒壊しかかった商店を襲う人々の姿、援助物資に群がり掴み合う人々の姿。
神戸との違いは何だろう。
僕たちはつい国民性の違いで説明しようとしますが、忘れてならないことがあります。
それはハイチのどうしようもない貧困です。
ハイチの一人当たり国民所得は6万円程度で西半球の最貧国。
日本の50分の1に届かないのです。
過去30年間GDPは連続してマイナスを続ける一方で人口だけは増え続け、現在1,000万人を超えました。
貧困が更なる貧困を生んでいる。
このような中では自分が食べることが先ず一番と考える人を非難できません。

因みに国境を接するドミニカ共和国の一人当たり国民所得はハイチの6倍です。
隣国同士でどうしてこんなにも違うのか。

その歴史を調べてみると驚くことにハイチは南北アメリカ大陸諸国の中で2番目に独立を果たした国なのです。
1番は当然アメリカ合衆国ですがハイチはその次、1804年、ナポレオン統治下のフランスからの独立です。
アフリカ大陸から連れてこられた黒人奴隷たちが作った国です。
しかしハイチはこの独立と引き換えに莫大な賠償金をフランス払うこととなります。
これがこの国がずっと貧しさを引きずることになったそもそもの要因です。
もう一つの原因はドイツ、アメリカと続く大国の干渉と占領政策、その後の軍事政権によるクーデター。
大国の都合と内国政治の不安定さに翻弄されるのはいつも貧しい国の共通項です。

ハイチを助けよう16日、オバマ大統領、ブッシュ前大統領、クリントン元大統領は超党派で『ブッシュ・クリントン・ハイチ基金』を作り復興の為の募金活動をすると発表しましたが、米国が国益で動けば新たな火種を作りかねません。

この国も含めた世界にある貧しさを克服するのに今何が必要なのか、僕はこれから少し考えていこうと思います。


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Posted by 風街ろまん at 19:19│Comments(0)
 
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