2009年10月14日

日本の空のこと

日本の空のことJALの苦境が毎日報道されています。
事業再生を請け負った『JAL再生タスクフォース』からは、事業再生ADR方式で取引金融機関へ最大3,000億円の債権放棄のお願いがされるようです。
民間企業のこととは言え、最大の債権者である日本政策投資銀行は政府系金融機関、相応の対応を覚悟しなければなりませんね。

1987年に民営化された日本航空ですが、親方日の丸体質は一向に抜けなかったようで、内輪もめに終始する経営が続いていました。

糾弾されるべきは歴代の経営陣であることは確かでしょうが、元々、日の丸企業であった宿命です。
政治のパワーゲームに翻弄され続けたのは否めません。

NTTもJRもJTも民営企業としての布石を着々と敷いてきたのに比べJALは何故?

と問うと、その先には定まらない日本の航空行政がこれまでずっと重石になってきたようです。

国際線ハブ空港にしても然り。

韓国の仁川空港や香港国際がハブ化を着実に進めているのに対し、日本は一向に整備が進まない成田と関西国際、中部国際の開港、羽田の拡張という具合にばら撒き投資だけが続いています。

ようやくここに来て前原国土交通大臣が羽田のハブ化を明確にしました。
そしたら早速、あの何とか言う元気もんの千葉県知事が噛み付きましたね。

まあ、1970年代のあの成田闘争を思い返せば、
「あれは何だったんだ!」
という千葉県民の想いも分からないではないですが。

運輸省時代から国交省官僚の主張は羽田と成田の使い分け、言わば二眼レフ主義で一貫していますが、今のグローバル化の時代ではそれが通用しなくなっていることが分かっていて彼らは方向転換ができないでいるようです。
官僚の限界ってやつです。

その意味でも前原発言は大きい。

空の戦略は国家戦略そのものです。

日本の空のことさて、2010年3月に国内99番目の民間空港、茨城空港が開港します。

増え続ける関東の国際便需要をにらみ羽田と成田の補完としての意義は大きいと県側は主張しています。
当初は航空自衛隊百里基地の滑走路を共用するから資金は余りかからないという話だったのが、いつのまにか横にもう1本専用滑走路を作っちゃった。
もともと自衛隊の基地を作るような場所です。
アクセスなんか何にもない。
茨城県民は利用するんでしょうか?

JALもANAも乗り入れを否定。
いまのところ決まっているのが韓国のアシアナ航空の1便だけだそうです。
国際便が降りれば税関が必要になります。
どう考えてもペイするわけがない。

さて地方自治体は何ゆえに空港を持ちたがるのか・・・・
続きます。


大成経営コンサルティンググループ
(株)船井財産コンサルタンツ 
九州相続相談センター  
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Posted by 風街ろまん at 18:46│Comments(0)
 
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