2009年04月23日

ほんわかムードと5月危機

3月危機が去り4月の株式相場もなんとなあく8千円台の9千円近くをうろうろしています。ほんわかムードと5月危機
自動車、電機関連も、在庫調整が終わって8割程度で生産が回復とか。
エコカー減税でハイブリットカーは大変な盛り上がりようとか。
死の渕にあったシティバンクも第一四半期が黒字回復とか。
兎角、暖かくなると気分もふわふわ、つい油断してしまいます。

本当は表面だけでもこういった風情がしばし続くと、凍りついた消費者心理が溶け出すのでしょうが。

このごろの週刊誌は『5月危機』のオンパレード。
殆どの企業の決算期は3月ですが、5月はその決算状況を有価証券報告書として開示しなければならない月です。

4月21日のエコノミストによると3月決算企業のうち、監査法人の意見表明が出せない企業がちらほらとか。
意見不表明とは、ゴーイングコンサーンへの疑義(事業継続についての懸念)表明などとは比較できない重大事。
病気で言えば手の施しようのない状態であるという無言のサインです。

こうした上場企業がいくつか出れば、株式市場は再び混乱するであろうとの憶測です。

確かにその可能性は少なくありません。

日立が公的資金になびき、東芝が5,000億円もの大増資で損失により生じた過小資本解消へ。

5月は毎日毎日企業の赤字決算発表ニュースが踊るでしょう。
市場から去っていく企業もあると思います。

『しかし決算は過去のこと、今期は・・・・』
と手放しで言えないのも今年の真実。

金融に関して言えばCDSに掛かるデレバレッジがどれだけの規模で収束するのかがまだ判っていません。

政府・中央銀行の支援無しには金融システムは今もって機能していません。

金融機能の自力回復なしには実体経済に水を与えるものがいないのと一緒です。

あのオリックスでさえが市場から充分な資金がとれず本業のリース事業に支障をきたしていますし、トヨタですらが日本政策投資銀行からの融資でCPの決済資金を調達しなければなならい状況です。
それは、企業の格付けが高いとか低いとかの問題ではなく、市場に資金の出し手がいないということ。
これが正常になるには、いろんなものが見えてくることが必要のようです。
今が見えない。
いろんなものが断片的には見えるのだけど肝心なものが見えない。
そういうことだと思います。



Posted by 風街ろまん at 22:18│Comments(0)
 
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