2009年04月16日

キャッシュのお話

会社の状況を端的に表すのに、『キャッシュフロー計算書』というものがあります。
通常は決算書のなかの『損益計算書』をみて儲かっている、損していると判断される経営者の方が殆どだと思います。
だけど、儲かっている筈なのにお金が足りないと悩まれたことがありませんか。

企業のキャッシュフロー(現金の流れ)は3種類に区分することができます。

①営業キャッシュフロー・・・・・会社の営業活動が生み出す現金です。
②投資キャッシュフロー・・・・・設備や出資などにかかわる現金です。
③財務キャッシュフロー・・・・・お金を借りればプラス、返済すればマイナス。

企業の命は現金です。
現金に換えられない資産は資産ではありません。
現金を生み出せない設備投資は投資とはいいません。

営業利益は出ていてもそれ以上に在庫が増えていれば営業キャッシュフローは▲(赤字)です。
それで支払ができなくなればOUT、倒産です。
世に言う黒字倒産。
反対に毎年毎年赤字が続いていても、際限なく銀行がお金を貸してくれれば会社は潰れません。
実際、今時そんな銀行は存在しませんが。

普通のお店が不景気で店をたたむとどうなるでしょう。

普通のお店ですので、売上げはその日に現金で入ります。
商品の仕入れは、普通月末にその月の仕入れ総額を計算して、翌月末とかに1か月分を支払います。
すると店をたたむ直前まで売上金が現金として手元に入りますが、そのお金を他の支払などで使ってしまっていると、最後に仕入れた1か月分の商品代は支払えなくなります。
すると万歳することになります。

現金商売は、商売が好調でお店を増やしているときにはお金が廻るので苦労しませんが、一旦業績不振で儲からない店舗を締めるようになると、その都度後払いのお金が必要になるため資金繰りに苦しまなければなりません。
事業再生にお金が掛かるというのはそういうことだったりします。
またお店を賃貸でなく自前で買って持っていたりすると更に悲惨です。
今の不動産市況はどん底でいらなくなったお店が売れません。キャッシュのお話

2年前にレストランを開業し2年でたたんだお客様がいます。
テーブル15、椅子60脚、天然木でちょっとこだわり総額250万円を投じたそうですが、テンボスバスターズ(飲食店舗設備専門のリサイクル業者)の引取査定価格は3万5千円でした。
厨房設備なんて持っていってもらえるだけ有難いとか。

切ない世の中ですね。

事業をオープンするときは、「不安だ」とは口にしながらも、胸のうちは期待値が際限なく広がり、つい行き過ぎた設備をしてしまうものです。
設備投資したお金は、利益の中からしか返って来ません。

こう言う時代は、よおく財布の中味と見比べて、くれぐれも、“エイ、ヤー!”で決めないことです。




Posted by 風街ろまん at 21:03│Comments(0)
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。