2009年04月09日
貸した不幸 借りた不幸
先日、人を介して経営の相談がありました。
持って来ていただいた会社の決算書、2種類ありました。
俗に言う銀行用と税務署用(本チャンというやつ)。
こういう言い方をすると誤解を生じるかも知れませんが、粉飾決算は昔から中小企業には付き物で、大くの企業の決算書はどこかしらいじくってあるものです。
まあ、普通は粉飾というよりお化粧でしょうか。
しかし、あからさまに裏表が2冊ある企業はそう多くはありません。
しかも化粧も相当な厚塗りです。
複式簿記とはよくできているものでどこか損益をいじれば必ず貸借対照表に変化が現れるようになっています。
究極は預金残高か借入残高をいじることですが、金融機関の残高証明でチェックされてしまいます。
まあその二重帳簿の出来不出来はどうでもいいことですが、実質の営業利益が10百万円の赤字でした。
業種は管工事業、いわゆる水道工事屋さんです。
年間工事高70百万円、売上粗利益4百万円、営業利益△10百万円、借入金35百万円。
工事売上が70百万円に対して粗利益が4百万円ということは業種は違いますが66円で仕入れたりんごを70円で売る商売をしているのと同じことです。
お店を維持していく経費(家賃や電気代、電話代、人件費、広告費、仕入れの車両費など)が14百万円かかるのに商品を仕入れて売った儲けが4百万円だから10百万円足りませんという話です。
それでお金を借りてきて埋め合わせをしたため借入が1年で10百万円増えましたという会社です。
今期も赤字でお金が足りないが銀行は貸してくれない。
借入返済が毎月50万円あって返済も難しい。
さて、どうしたらいいですか、と言う相談でした。
「それで貴方はどうするつもりですか?」
と聞きましたら、
工事で利益が出るように頑張るといわれました。
「では、頑張ったら利益がでますか?」
「お金が回るにはどの位利益を出さないといけないか分かりますか?」
返事は返って来ません。
この会社が返済をしながら回っていくには20百万円の粗利益が必要です。
70百万円の工事で20百万円ですから凡そ30%の利益率が必要です。
この業態ではいまどき奇跡の利益率です。
それから建築工事がまだあった前期(昨年夏場前)ならまだしも、不動産バブルがはじけ金融不況の真っ只中の今から、同じ量の工事を受注するのは100%不可能です。
頑張るってどういうことでしょうか。
今までは頑張らずに来たという反省ですか?
「ふたつ方法があります。
一番いい方法は自己破産して何処かに勤めて食べていくこと。
それが嫌なら銀行さんにはもう払えませんと頭を下げて、あとは何とか食べる分だけは仕事をすること。」
「銀行はなんか言ってきませんか?」
「それは言ってくるでしょうね。」
「そしたらどうしたらいいですか?」
「返すお金がありますか、売れる資産をお持ちですか。」
「ありません。」
「ないなら、貴方もどうしようもないが銀行もどうしようもないですね。」
「はい。」
「親戚とか友人とかから借りないとやっていけないのであればすぐこの仕事をやめてください。
被害を大きくするだけですから。」
この仕事をしているといつも思います。
やたら借りてはいけないお金を一杯一杯まで借りるから不幸が起きる。
貸してはいけない人に一杯一杯まで貸すから最後まで追い詰めてしまう。
昨年秋から中小企業救済の名の下に緊急不況対策資金とやらが飛び交っていますが、中身を見ると今回の金融不況が原因で苦しんでいるという企業は僅かです。
大半はもうずっと前から厳しい状況に追い込まれていて何もしなかった企業ばかりです。
何もしなかったと言うと誤解があるかもしれませんが、やってることは「頑張ります」に等しい。
97年の「貸し渋り対策資金」なるものも全く同じです。
再生の現場では、起き上がるのに本当に必要なお金というものがあります。
そのとき初めて借りるありがたさが分かるのですが、その時の借入は殆ど絶望的と言っていいほど難しいのです。
だから余計いらだちます。
ただ単に漫然と足りないから借りたなんてことを言っている人を見ていると我慢ならない思いに駆られます。
持って来ていただいた会社の決算書、2種類ありました。
俗に言う銀行用と税務署用(本チャンというやつ)。
こういう言い方をすると誤解を生じるかも知れませんが、粉飾決算は昔から中小企業には付き物で、大くの企業の決算書はどこかしらいじくってあるものです。
まあ、普通は粉飾というよりお化粧でしょうか。
しかし、あからさまに裏表が2冊ある企業はそう多くはありません。
しかも化粧も相当な厚塗りです。
複式簿記とはよくできているものでどこか損益をいじれば必ず貸借対照表に変化が現れるようになっています。
究極は預金残高か借入残高をいじることですが、金融機関の残高証明でチェックされてしまいます。
まあその二重帳簿の出来不出来はどうでもいいことですが、実質の営業利益が10百万円の赤字でした。
業種は管工事業、いわゆる水道工事屋さんです。
年間工事高70百万円、売上粗利益4百万円、営業利益△10百万円、借入金35百万円。
工事売上が70百万円に対して粗利益が4百万円ということは業種は違いますが66円で仕入れたりんごを70円で売る商売をしているのと同じことです。
お店を維持していく経費(家賃や電気代、電話代、人件費、広告費、仕入れの車両費など)が14百万円かかるのに商品を仕入れて売った儲けが4百万円だから10百万円足りませんという話です。
それでお金を借りてきて埋め合わせをしたため借入が1年で10百万円増えましたという会社です。
今期も赤字でお金が足りないが銀行は貸してくれない。
借入返済が毎月50万円あって返済も難しい。
さて、どうしたらいいですか、と言う相談でした。
「それで貴方はどうするつもりですか?」
と聞きましたら、
工事で利益が出るように頑張るといわれました。
「では、頑張ったら利益がでますか?」
「お金が回るにはどの位利益を出さないといけないか分かりますか?」
返事は返って来ません。
この会社が返済をしながら回っていくには20百万円の粗利益が必要です。
70百万円の工事で20百万円ですから凡そ30%の利益率が必要です。
この業態ではいまどき奇跡の利益率です。
それから建築工事がまだあった前期(昨年夏場前)ならまだしも、不動産バブルがはじけ金融不況の真っ只中の今から、同じ量の工事を受注するのは100%不可能です。
頑張るってどういうことでしょうか。
今までは頑張らずに来たという反省ですか?
「ふたつ方法があります。
一番いい方法は自己破産して何処かに勤めて食べていくこと。
それが嫌なら銀行さんにはもう払えませんと頭を下げて、あとは何とか食べる分だけは仕事をすること。」
「銀行はなんか言ってきませんか?」
「それは言ってくるでしょうね。」
「そしたらどうしたらいいですか?」
「返すお金がありますか、売れる資産をお持ちですか。」
「ありません。」
「ないなら、貴方もどうしようもないが銀行もどうしようもないですね。」
「はい。」
「親戚とか友人とかから借りないとやっていけないのであればすぐこの仕事をやめてください。
被害を大きくするだけですから。」
この仕事をしているといつも思います。
やたら借りてはいけないお金を一杯一杯まで借りるから不幸が起きる。
貸してはいけない人に一杯一杯まで貸すから最後まで追い詰めてしまう。
昨年秋から中小企業救済の名の下に緊急不況対策資金とやらが飛び交っていますが、中身を見ると今回の金融不況が原因で苦しんでいるという企業は僅かです。
大半はもうずっと前から厳しい状況に追い込まれていて何もしなかった企業ばかりです。
何もしなかったと言うと誤解があるかもしれませんが、やってることは「頑張ります」に等しい。
97年の「貸し渋り対策資金」なるものも全く同じです。
再生の現場では、起き上がるのに本当に必要なお金というものがあります。
そのとき初めて借りるありがたさが分かるのですが、その時の借入は殆ど絶望的と言っていいほど難しいのです。
だから余計いらだちます。
ただ単に漫然と足りないから借りたなんてことを言っている人を見ていると我慢ならない思いに駆られます。
Posted by 風街ろまん at 23:37│Comments(0)