2009年03月05日

司法について思うこと

クライアントを弊社の顧問弁護士の事務所までお連れしました。
クライアントは繁華街でブティックを2店経営されていましたが、その片方を1月いっぱいで閉鎖、退店されました。
今回は30年間借りてたテナントの退去を巡るトラブルです。
クライアントにも非は在るようですが、先方の要求も首を傾げるものです。

ただクライアントはこれまでの交渉にかかる文書ですとか、支払った分の領収書とか何も控えてきていない。
正直な方ですのでオーナーとも誠実に話し合いはしてきたようです。
しかし実際の裁判となると自分の話を裏付ける資料の在る無しが殆どを決めてしまいます。

中小企業の経営者に共通するところですが、法律に関して実に疎く甘いところがあります。
取引約款や賃貸契約や労働契約などにしても殆ど内容を吟味することなく印鑑を押したり約束したりしている。

何もなければいいんですがトラブルが起こると必ず
『信じてたのに・・・・』
です。
何を信じていたのか分かりませんが、一方的に不利な契約内容であっても何の疑問も持たず押印。
時には、こんなひどい内容で縛られているのにと思う契約もあります。
それで『信じてた』もないもんです。
要するに大事なことを何も確認していない訳です。

往々にして日本人にはその傾向があるようです。
狭い島国の村社会では「言わずもがな」や「波風を立てたくない」というのが優先事項であったりします。
信じてしまう根拠が分かりませんが、面と向かって細かいことを詰めるのが苦手なのでしょう。
僕自身にもその根っこがあるのを感じます。
克服すべき因子だと思ってます。

正直な方に鞭打つようですが、商行為で騙されたり、理不尽な要求をされた方に同情はしません。
無防御で「なあなあ」でやっていけるほど今の時代はやさしくないからです。
事業や従業員を守ろうと本当に思っている経営者ならそんなバカなことができる筈がないんです。

海外と取引があったり海外に工場がある大企業には必ず法務部門があります。
彼らは過去に海外で1度や2度ならず痛い目に会った経験をもっているからです。
重要な契約をするときは必ず弁護士にリーガルチェックを依頼してください。
大半のリスクは避けられると思います。

今回の件に当って弁護士も言いましたが100の言葉を並べるよりひとつの証拠です。

確かに法が総てを支配する社会はぎすぎすして住みづらいのかも知れません。
米国の訴訟社会は明らかに行き過ぎていると思います。
『この電子レンジで猫を温めないで下さい』と書かれた商品の警告文・・・・有名な笑い話です。
教育程度に大きな格差がある米国ならではかも知れません。

平成16年に福島県立大野病院で起きた産婦人科の医療過誤事件で全国の産婦人科医師は凍りつきました。
当該事件の審判はともかく、いつも訴訟リスクと裏表に在る同科特有の事情を嫌忌して専門科医師は今なり手がなく、救急病院は受け入れを渋るようになりました。
余談ですが少子化を食い止めるべき時にこの状況では安心して出産ができないという風潮をこの事件は助長しました。
時に法は社会構造をも変える力を持っていることを認識すべきですし、国はそれを踏まえた根本的な解決に踏み込まないと、小手先の解決では制度疲労が進むばかりです。

大成経営コンサルティンググループ
http://www.taiseikeiei.co.jp
(株)船井財産コンサルタンツ熊本   お問合せ
http://www.funai-zc.co.jp       fzc-m@taiseikeiei.co.jp





Posted by 風街ろまん at 08:35│Comments(2)
この記事へのコメント
裁判官の考えというか、どうもわからない所がある。裁判員制度はそれを補正するものだろうか。

 Ichiro
Posted by Ichiro at 2009年03月05日 17:05
プロの司法判断と民意にギャップがあるのはこの頃の裁判(例えば山口県光市の母子殺人事件など)でよく聞きます。
そのギャップを埋めようとする法務省の努力が裁判員制度であるのなら評価できるんですがね。
Posted by 風街ろまん風街ろまん at 2009年03月05日 18:50
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。