2009年02月24日

国の豊かさについて考えると

日本のGDPの世界順位はご存知ですよね。
その通り、2007年も米国に次ぐ第2位です。
3位はドイツですが2008年は成長率と為替を勘案するに中国が3位に上がるのは間違いないようです。
また淡々と日本にも迫ってきていますのでいずれ抜かれるのは時間の問題でしょう。

さてそれでは国民の豊かさの指標のひとつである一人当たりGDPはどうなっているでしょうか?
IMFの現地通貨ベース統計を米ドル換算ベースで集計した分では2007年が22位です。
アジアではシンガポールに抜かれました。
2位か3位くらいではと思っていませんでした?
実質的な物価水準の違いもありますのでイコール即個人の豊かさ順位ではありませんが国民生活の水準としては凡そ正しいと思います。
日本はG7中では最低です。

輸出がつまずいて内需拡大が今更ながらのように言われます。
でも日本は誰もが老後が不安で不安でしょうがないからお金を使わない国民です。
内需拡大なんか望むべくもない。

バブル後1990年から10年間、度重なる景気対策で政府長期債務は340兆円増加しました。片方でこの間、家計の金融資産は1,000兆円から1,400兆円へ400兆円増加しています。
国が借金して使ったお金がぐるっと巡り個人の貯蓄となった訳です。
いったいなんていう国でしょう。
今回の定額給付金とやらも、仮に予算案が通過しても同じことです。
それほどまでに民衆は国を信頼していないという証ですかね。

しかしそうやって溜め込んだ使いもしない貯蓄で生活は豊かになっているのでしょうか。
国を信じられない国民が豊かなはずがないと思うのですが。

昨日、厚労省は今後100年間の年金給付見通しを発表しました。
いくら5年ごとに見直すようになっているとは言え、あの社会保険庁の官僚が鉛筆舐め舐めこさえた報告書ですよ。
給付財源の基礎データとして、毎年の賃金上昇率が2.5%、運用益が年4.5%となってます。
GDPがマイナス、金融機関の有価証券評価益がマイナスのこのご時勢に根拠らしきものが見当たりませんね。
要するにこの数値以上でいかないと年金は破綻しますと言っているのです。
しかもご丁寧に100年後の給付水準まで発表して。

日本人は死ぬまで貯蓄して死んだときがハイエンドだといわれます。
一方で地方の息子や娘たちは働き口がないから都会へ出て地方には老夫婦だけが残ります。
そのうちつれあいが先へ逝くと残ったものの長い辛い1人暮らしがそこにあり、結局一人ぼっちで最後を迎える。
長患いしないことだけが幸せだったみたいなエンドロールです。
やっぱり豊かじゃないですね。
社会も経済も。

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Posted by 風街ろまん at 18:44│Comments(0)
 
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