2009年02月20日

『100年に1度の』は本当か

『100年に1度の』は本当か内閣府が16日発表した2008年10―12月期のGDP増加は実質で年率換算で△12.7%でした。3四半期連続のマイナス成長で、減少率は第1次オイルショックの1974年以来だそうです。
確かに数字は深刻な事実を伝えており今は紛れもない不況です。

しかし、何かというと「100年に1度」の不況という言い回しが使われます。
これは真実ではありません。

ではこの100年の経済状況とはどういったものだったのでしょうか。
100年前、日本は1905年日露戦争に勝利して国際社会の切符を手に入れると、これを足がかりに1910年の日韓併合をはじめ大陸経営に乗り出します。
この100年とはイコール日本の世界史登場からの歴史です。

1923年の関東大震災のあと1927年、日本は昭和の金融恐慌という未曾有の大不況におそわれています。
金融機関が相次いで潰れ取り付け騒ぎが起こり大商社が倒産し東北地方で娘の身売りが頻発し、日本が第二次世界大戦へと突き進む遠因となった不況。
それがおよそ81年前です。

それから第二次世界大戦中の戦時経済体制と敗戦後の焼け野原にハイパーインフレ。
1946年には預金封鎖と強制的新円切り替えが行われました。
これはもう国が国民に向けたデフォルトです。
63年前です。

引き続いて1949年のドッジラインと呼ばれる超緊縮財政策によるデフレ恐慌。
1950年の朝鮮戦争特需に救われたものの、それまでは中小企業倒産が相次ぎ街に失業者が溢れ深刻な不況で労働争議も頻発しました。
60年前です。

その後は高度成長経済を謳歌した後、第一次、二次のオイルショックは在ったものの右肩上がりの成長が続きそのままバブル経済突入。
しかし1989年バブル経済の崩壊を挟んで日本経済は長い長い停滞を迎えます。
特に1997年には大手金融機関の破綻が相次ぎ信用収縮によるデフレ不況。
11,2年前です。

どうでしょう?
日本経済はこの100年でこれだけの耐え難い痛みを味わってきました。
今回の不況はまだピークに達してはいないと思いますが、今年に入って凡その全体の姿が見えてきています。
不況と対峙する企業側の防御線の状況も見えてきました。

油断は禁物ですがこの不況は「100年に1度」の不況ではありません。
アメリカには当てはまっても日本には当てはまらない形容詞です。
しかし多分に、もたもたとするばかりで不況を助長しているとしか思えない、現実認識もない、無責任極まりない政府と政治家を前にするとそうとでも言わないと納まらない苛立ちが投げつけた形容詞なのでしょう。

だから心配せずに縮こまらずに頭を起こしてマインドを揚げて。
安心感と元気こそがこの不況を脱する最大の特効薬です。

大成経営コンサルティンググループ
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Posted by 風街ろまん at 18:54│Comments(0)
 
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