2009年02月13日

企業スポーツはどう変わる-その2-

僕は駅伝ファンです。企業スポーツはどう変わる-その2-
10月の全日本大学選抜出雲駅伝に始まり1月の都道府県対抗男子駅伝でシーズンが終わりますが、その間目が離せません。
15年ほど前から女子駅伝に人気が集まり出しました。
TV中継が始まるといろんな新設実業団チームが登場してきました。また、これまで陸上部という括りでトラックやマラソンで活動していた企業も駅伝になだれ込みました。
所謂、商業効果です。
余談ですがトラックの中距離選手やマラソン選手も駅伝中心のスケジュールとなり本来の競技に支障が出るという弊害も聞こえてきます。
それでも高校大学で活躍した選手の受け皿が増え女子長距離界がレベルアップしたことは間違いありません。                        08年度優勝 豊田自動織機

有森裕子、高橋尚子、野口みずき等オリンピックメダリストの活躍はこの延長線上にあり、女子マラソン日本の原動力となったことは否定できません。

今、その逆のことが起こりつつあります。
どんなに学生時代に秀でた成績を揚げてもそれからの行く先がないような社会になればその競技人口(特にマイナースポーツの)は減少し、そのことでマスコミの注目度が下がれば更に衰退に拍車がかかります。

廃部を嘆く関係者の苦渋も解りますが、企業側とすれば人員整理を検討する最中に実業団チームの経費を温存するというわけにいかないのも事実です。
日産は先の“ゴーン改革”では部活動廃止に言及しませんでした。
後楽園の都市対抗戦を観戦したゴーン氏が日産の求心力としての部の存在意義を認めたと聞きました。
しかし今回は・・・・・。
100年に1度の不況だからでしょうか。

『応援に行くのはOBと部の関係者だけで一般の社員は誰も応援に行かないから無くなっても別に何ともないです。その分カットを抑えて欲しい。』
そう言う社員の声が結構多かったとも聞こえてきます。
今の世相です。

スポーツが国威掲揚にはなっても直接国力の隆盛に結びつかないのはソ連をはじめとした旧東欧諸国を見れば一目瞭然です。
しかし、だからと言って世界の競技大会に出場もできない国というのも看過できません。
何なんでしょうね、この思いとは。

さて、企業が実業団チームを抱える形態自体は欧米にはなく日本特有のものらしいです。
欧米では企業丸抱えではなく地域と様々なスポンサーに支えられたクラブチームがアマチュアスポーツを支えています。
文科省も昨今の企業スポーツの衰退に鑑み、欧米にならった総合型地域クラブ構想を考えているようですが、根付くまでには相当な年月が必要です。

熊本に「熊本ゴールデンラークス」という野球チームがあります。
2005年の創部ですが07年08年と連続して都市対抗に出場する強豪になりました。
選手は全員生鮮スーパーの(株)鮮ど市場の社員です。
しかし企業名は名乗っていません。
地域が応援してくれるチームであって欲しいとの田中社長の思いからだそうです。
部員も各店舗に所属し半日は店頭で営業をしています。
企業スポーツ選手のプロ化に逆らうように。

今後の在りかたのひとつでしょう。
それにしても地方と企業が元気良くならないと進まない話でもあります。

大成経営コンサルティンググループ
http://www.taiseikeiei.co.jp
(株)船井財産コンサルタンツ熊本   お問合せ
http://www.funai-zc.co.jp       fzc-m@taiseikeiei.co.jp




Posted by 風街ろまん at 12:42│Comments(0)
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。