2009年01月30日

落語と文化めいたこと

落語と文化めいたこと先日出席した東京の講演会ですが落語家の三遊亭楽太郎も講師で出てまいりました。
彼の話の中に文化ということについて「なるほど」と思うくだりがありましたので紹介します。
楽太郎が海外で落語の高座を務めたときのこと、こちらは日本語ですので観客がすぐにわかるように同時に英語の通訳テロップが流れたそうです。
『それで分かったんですけどね、日本語で「あら、おまえさん」も「おいこら、てめえ」も「おぬしは」も「ねえ、君」も、英語に訳すとみんな「Hei.You!」になってしまうんですよ。』               (写真は古今亭志ん朝)
確かに日本語は2人称ひとつにしても性別や職業や性格や生まれなどにより
多彩な言葉で表現されます。
ただ、だからと言って日本語が優れているというわけではありません。
ラテン語系の言葉には日本語にない男性名詞、女性名詞というものがありそれぞれの言葉につく冠詞も変わってきます。
例えばフランス語ではla,le,une,unなど。
英語でもa,an,theなどの冠詞が存在します。
日本人がフランス語などを学ぼうとすると、この決まり事が理解できず
「そんなことどうでもいいたい、面倒くさい。」となります。
フランス人はそれに対しきっと
「男性名詞も女性名詞も一緒くたなんて、そんな繊細さもないの。」というでしょう。
文化の違いなんですね、それは。
どうでも良くないのは自らが育んできた文化を何の根拠もなく否定すること。
特異だからと標準にしてしまえば誰もが自分と同じ筈だという錯覚が生まれその傲慢さが人を傷つけます。
ではなくて特異性を相互に認めることで双方の違いに対する認識が生まれ、理解と尊重がその違いの間にある溝を埋めることになるのだと思います。

落語から少しそれてしまいました。
落語ではどんなものが好きかというと古典落語、それも上方落語でなく江戸前の落語です。
それは言葉に原因があるようです。
今は余り聞かれなくなりましたが古典落語には江戸文化を髣髴とさせる言葉が沢山散りばめられています。
例えば職人言葉だったり市井のおかみさん言葉。
また、上方落語のはんなりとした語り口よりやや乱暴ですが江戸前の飾りっ気ない言葉のほうが僕には性に合っているようです。これも好き嫌いでしょうがもともと馴染み深い熊本弁とのかかわりがあるように思います。

さて落語の芸術性について考えることが多いのですがそれはまた後日ということで。

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Posted by 風街ろまん at 21:07│Comments(0)
 
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