2008年12月24日

立ち止まって

立ち止まって本の紹介です。
今どこの書店の店頭にも置いてある本で、よく売れているようですので、僕が紹介するまでもないのですが、
サブプライム問題から急速に世界規模で経済が収縮しているのはなぜか。
資本主義のお手本であったアメリカが何故こんな愚かしい状況を作り出したのか。
次々と破綻した投資銀行の実態とは果たしてどのようなものだったのか。
長くウォール街に身を置いて、つぶさにそれを見てきた筆者の神谷氏だから書ける、地に落ちた資本主義の真実に迫るよくまとめられた解説書です。
バブルとバブル以降の日本がとってきた道についても総括してあります。
大企業、中小企業の経営者にかかわらず、また一消費者としても振り返るべき時に来ているはずです。
後の世できっと今という時代の評価が大きなターニングポイントとして語られることになると思います。

良くも悪くも戦後の日本を形作った大部分の『団塊の世代』は既にリタイヤしました。
まだまだ経営に携わっている同世代トップは多いようですが、彼らは今回時代の幕引き役を演じ、後世に道を譲らざるを得なくなると思います。

この本にありますが、文明史によれば、国の上位1%に富の30%以上が集中する時、大きな崩壊が起きる臨界点となるとのことです。
この豊かで成熟した民主主義国家においてワーキングプアーのような状況が放置されていること自体に、今の社会の大きな矛盾を感じます。



Posted by 風街ろまん at 02:00│Comments(0)
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。