僕が最初に買ったデジカメはオリンパスC2000ZOOMという中級種です。
1999年夏でしたのでもう10年前のことになります。
211万画素。附属のメディアは16MBでした。
最高の画質で撮影すると8枚しかとれませんでした。
32MBのメディアを追加で買いましたが6千円位しました。
今では信じられないことです。
量販店で買いましたがそれでも価格は75千円だったと思います。
先日ネットオークションで見かけました。
落札価格は1,000円です。
う~ん!
今同じスペックのデジカメを買おうとしても211万画素なんてもう出ていません。
僕の携帯電話についているカメラは800万画素です。
もっとも画素数が多いからカメラの性能が優れているという訳でもなくCCDのサイズであったりレンズの性能であったりもあるようですが・・・・。
少なくとも一般ユーザー(ちゃんと綺麗に写るといった程度の要求度の)にとっては、それ以上の性能は不必要なのですが、その価格が圧倒的に下がってきているということですかね。
何故こんなに安くなったかというと、ひとつには製品を構成する部品のモジュール化が進んだのが大きいと言えます。
モジュール化って何かと言うと、例えばパソコンについて言えば、多くの方がご存知のとおりパソコンはCPUとメモリーとHDという基幹部品とそれらを配置するマザーボードからできています。
1980年代にIBMはパソコンの仕様を公開し部品の規格化を進めました。
規格に合ったモジュールであれば中味は問わないという開発体制です。
これにより世界中で無数の部品メーカーができ、モジュールごとの性能の向上と低価格化が一挙に進みます。
パソコンの性能も日替わりで向上するのと反比例して価格も大きく下がったわけです。
これによってパソコンメーカーは自社で部品を製造しない組み立て屋になってしまいました。
日本のパソコンメーカーが大きく出遅れたのは自社製部品や自社規格にこだわったからだと言われています。
皮肉にもIBMはそれが原因で儲からなくなったパソコン事業から撤退してしまいました。
さて技術は進んでいきますが、僕ら一般ユーザー側としてはもうこの位の性能で充分というレベルがあります。
このデジカメしかり、パソコンも携帯電話も液晶テレビもDVDレコーダーなども。
技術的には限界はないのでしょうが、受け入れる側には、明らかにもうこれ位でいいんじゃないの、これ以上の上級種にはお金は出せないよ、というレベルがあります。
そこまで至ったとき経済用語ではその製品はコモディティー化したと言います。
コモディティー化すると製品購入の選択肢が限りなく『価格』に絞られてきます。
プロのカメラマンが使うならいざ知らず、一般ユーザーが使うデジカメへの要求性能はそれほどおおきいものではありません。
現実にどれだけ解像性能が良くても汎用のプリンターで印刷すれば出来上がりに差はできないんです。
いくらプロ用の製品を作り続けたところで販売額は知れています。
因みに『デジカメ』とは三洋電機のれっきとした登録商標ですので一般的には「デジタルスチールカメラ」と言わなければなりません。
これからは既にあるものの製品技術を高めていくより、今ある生活スタイルを大きく変えるような訴求力のある製品の提案力のほうが企業に活力を与えます。
先日読んだ雑誌に「亀の子束子」一筋に100年、亀の子束子西尾商店の社長の記事が載っていました。
これはこれでひとつの企業の生き方です。
日本の製造業の正念場です。
大成経営コンサルティンググループ
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